○ 人間は常に呼吸している
人間は呼吸をして生きている.呼吸とは何だろうか.Wikipedia で参照でもしておこう.
生物における呼吸(こきゅう)は、以下の2種類に分けられる。
2種類あるとされているが,今回は,2番目の外呼吸について考えていきたい.
人間は肺で血液中の二酸化炭素と酸素を取り換えることで,身体に酸素を取り込んでいる.すなわち,呼吸によって酸素が二酸化炭素に置き換わっているのである.
ここで,酸素と二酸化炭素がどのようなものなのか考えてみよう.
酸素 | 二酸化炭素 | |
---|---|---|
化学式 | ||
分子量 | 32 | 44 |
ムム,分子量が違うぞ.
分子量は分子の重さのようなものである.単位は
分子量的に考えれば,一呼吸するたびに炭素の分だけ減っていることになる.
もしかして,呼吸するたびに体重減っているのでは??? どれくらい減っているのか計算してみよう.
○ どうやって計算するか
二酸化炭素の増加した量を調べれば良さそうだ.炭素の原子量をとしておこう.
吸気と呼気に含まれる二酸化炭素がどれくらいの量なのか調べよう.
としておこう.
さすがに一呼吸程度ではとても少量の減少しか追えないだろうから,1日でどれくらい体重が減少するのか考えていこう.
1回で呼吸する空気の体積を
1日での呼吸する回数を
としておけばいいだろう.
これより,1日で呼吸によって減る体重は,
で求められる.なんかかっこいいでしょ.
○ それぞれの量がどれくらいか調べてみる
以下の表にまとめた.
量 | 単位 | 参考サイト | |
---|---|---|---|
炭素の原子量 | 12 | 二酸化炭素 - Wikipedia | |
大気の二酸化炭素濃度 | 約400 | 気象庁 | 二酸化炭素濃度の経年変化 | |
呼気の二酸化炭素濃度 | 3.84 | 呼吸でどのくらいの酸素が二酸化炭素に変わるのか?(江頭教授): 東京工科大学 工学部 応用化学科 ブログ | |
1回の呼吸する空気の体積 | 0.5 | 人間は1日にどれくらいの空気をすうの? | 空気の学校 | ダイキン工業株式会社 | |
1日での呼吸回数 | 28,800 | 同上 |
何を参照するかにもよるのだろうが,表で示した値を用いて計算していこうと思う.
濃度のところが面倒な単位になっているので,少し書き変えておこう.
■ ppm
と%
の換算
という単位はあまり聞きなれないように思う.「地球温暖化が...」というような文脈でしか見たことがない.調べてみた.
Wikipedia によれば,100万分の1のことを表すようだ.なんだ,百分率のもっと細かい版じゃないか.
すなわち,ということになる.
また,気体に関してとする際には,体積の比率を表すことになっているようだ.今回の計算ではちょっと扱いづらい単位だ.
単位換算に当たって,本来はこれらの濃度が測定されたときの圧力や温度が知りたいところではあるが,日常生活ライクの状態としてSATPを用いたいと思う.(本当はきちんとしておきたいのだが,それほど影響を受けないだろうということと,最悪はオーダーだけでも合ってればいいだろうと考えている.)
SATP 基準の温度を25セルシウス度(298.15ケルビン)、標準圧力を 100 kPa とするものがSATP(標準環境温度と圧力、英: standard ambient temperature and pressure)と定義される。
この状態での理想気体の体積はなので,割っちゃえば良いだろう.
これで計算が出来るね.
○ 計算すると意外に...
さて,計算方法もそれぞれの値も手に入れたので,計算するのみだ.
先ほどの濃度を見ると,どうやら吸気と呼気の濃度に倍程度の差がある.吸気の二酸化炭素濃度はそれほど気にしなくても良さそうだ.もうは無視してしまおう.
これを踏まえて計算すると,
??!!
意外とある気がする.間違ってないよな...... ? (間違いがあれば指摘ください)
4日呼吸しているだけで以上も消費することになる.
呼吸ダイエットとかワンチャンある?